2009年5月6日水曜日

インド大魔術、ウンチ靴磨き

北京からデリーに遊びに来たAさんと市内一番の高級繁華街、コンノートプレースの地下道を歩いていたところ靴磨きが近寄ってきました。私は安物布製スニーカーなので用は無いのですがAさんはおしゃれな皮のスニーカー。大体こちらではサンダルやらスニーカーなどが多くて立派な革靴なんて履いてるのを見つけるのは至難の業のはず。町中穴ぼこだらけ、埃と泥まみれ、それに牛、犬のウンチがいたるところ。磨いたらすぐに車にでも乗らない限り数十メートルで汚くなること間違いなしです。外国人と見てかなりしつこく勧誘します。

そのうち靴磨きから”ほら、見ろ。靴が汚れているぞ”といわれてびっくり。なんと立派なウンチが靴の甲にもっこりと載っているではありませんか! ほんの数秒前まではなんともなかったのに。そばにいたおにいちゃんが頭を指して”兄弟、頭でなくて運がよかったな”などといいます。

これ以上かかわったら大変、先を急ごうとしますがおしゃれできれい好きのAさん”こんな靴ではとても歩けない”と、とうとう靴磨きを頼むことにしてしまいました。振り切って逃げるつもりの私が振り返ると階段で靴を脱いで磨かせています。上から高みの見学をさせていただくことにしました。
そうこうするうちに物乞いの子供がよって来て持っている飲み物を少しくれなどとせがんでいる様子。最初はニコニコしていたのですがしまいにはAさん大きな声で怒鳴り始めてほとんど力づくで靴磨きにお金を渡し子供を追い払いました。

階段を上がってきたところでいくら払ったのか聞いたら、な、なんと1000ルピー!これには飛び上がるくらい驚き。なんでも最初は1500ルピーを要求されたとか。マックの豪華マハラジャバーガーセットが75ルピー程度でこちらでは高級品。彼らの物価感覚的には5千円か1万円くらいを差し上げたようなものです。かもねぎならぬ”革靴を履いた日本人”というところでしょうか。

ウンチは本物のにおいがしたとのこと。いつどうやって靴につけたのか?そもそもほんものだったのか? だとすればなにの? なぞは深まるばかり。二人とも全く想像もつきません。まさにインド大魔術を見せられた思いです。靴磨きとしては途方も無い値段ですが目の前で魔術を見せてもらった料金としては十分に価値があったかもしれません。

きっぱりと拒絶すればよかったのですが中途半端な断り方だったのがウンのつきだったようです。



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