2009年5月31日日曜日

シムラへ旅行

会社の日本人4人(これで全員です)でシムラというデリーからは西北の山の上にある避暑地に旅行に行くことになりました。週末を利用してインドを旅しようということです。仕事でみなさんインド国内はたくさん出張していますが観光らしい観光はタジマハール以外はだれも行っていない。これではいけないということでみんなで相談しイギリス人がデリーを逃れ夏に首都にしていたというシムラというところに決めました。行きは10時間以上かけて列車で行きます。

早朝まだ暗いニザムディン駅に車で到着。インドの駅に入るのはこれが初めて。駅にはいっぱい人が寝ています。旅行会社の人は”乗換えまちだ”というのですが住んでいる人がいてもおかしくない。


我々の利用するのはヒマラヤンクィーン急行。冷房付き、冷房なしと別れていて最も高級な指定席冷房付きChair Carです。車体ははっきりいって古くでぼろいですが飛行機のようにリクライニングしてテーブルが使えます。冷房なしの自由席車はベンチ椅子。大混雑のようですが自由に行き来できません
ニザムディンを出た時はガラガラでしたがニューデリーで満席。

5時間ほどしてカルカという駅に到着。これがここまでの電気機関車。

カルカの駅で出迎えてくれたゾウのマスコット。これからシムラまで途中の駅にもおんなじのがいます。

列車は乗り換えるのですがこちらもヒマラヤンクィーンです。これで5時間ほどかけて登ります。


単線なのでしばしば待ち合わせ。その間にみんな売店でたべものや飲み物を買います。 ゆっくりと周りを見物できます。動きだしてもとび乗れるスピードです。


さすがインド。途中の駅ではこんなおじさんが。オーラが出てますねえ。ただものではない。
ところでとなりにいたおじさん二人。途中の駅でペットボトルをどっさり買い込む。そのうち二人でトイレに行って一人がなかなか出てこない。何やら怪しい。
席に帰るといつの間にかペットボトルの水の色が茶色に。ふたりで時々ボトルを振りながらがぶがぶ飲みます。なんだか目がとろんとしてきている。
こちらでは公共の乗り物はアルコール禁止。どうやらこれはウィスキーを飲んでるらしいぞ。瓶をそのまま見せるとまずいのでトイレで詰め替えていたようです。我々だってここでビールがあればねえ、などと愚痴を行ってたのに隣で酒宴です。我々のものほしさが伝わってしまったのか、のむか?とついに誘われました。実は今回の旅の前に旅行を手配してくれた会社のインド人から”決して途中で買い食い、もらい飲みはしてはいけません!”ときつく忠告されていたのですが。たしかにもらった食べ物の中に薬が入っていて身ぐるみはがれたというのはよくある話。


このおじさんたち、会社の保養所がシムラにあって何度も来ているとのこと。今回は家族連れ、奥さんと子供は別の車両。つまり男二人でゆっくり酒宴を楽しむということだったのです。シムラへは急ぐのなら車のほうがずっと早いのですがそれではお酒を飲めない。へへへと言いながら足元の紙袋の中から見せてくれたのはウィスキーの瓶が二、三本。

顔は怖いけど悪い人たちではなさそう。これは断るわけにはいきません。コーラで割ったウィスキーをいただきました。

途中の駅からついに娘さんがこちらに。三人姉妹。こんな怖い顔のおじさんからどうしてこんなかわいい女の子が?これもインド大魔術? 終着のシムラにつくころにはみんなで盛り上がってすっかりお友達です。

これが車掌。全員乗客は名前が登録されていてインド人は身分証提示。厳しくチェックされます。
そうこうするうちに終着のシムラ駅が近づいてきました。本当に山の上。気温もぐっと下がってすずしい。景色も最高です。




シムラ駅は本当に山の上。着いたら雨が降ってきました。上着なしではとてもいられない。はっきり言って寒い。デリーは45度だったのに。


ホテルは駅から車で5分程度。キプリングが宿泊したことがあるという由緒あるホテルです。5時集合で10時間列車に乗り続けてさすがに全員ぐったり。夕食後ただちに就寝です。


次回に続きます。

2009年5月26日火曜日

贅沢食パン牛

外国人がよく利用する高級輸入食品店のあるバサントロックというマーケットで見た牛。何か食べていると思ったら立派な新品の食パンをすごい勢いでむしゃむしゃ。

どうして新品の食パンがここにあるのだろうと不思議に思って写真を撮っていると近くの店主でしょう、さらに追加の食パンを勢いよく出して”こいつは友達さ”とにっこり嬉しそうに笑いながら牛の背中をポンとたたきました。

会社の近くの牛は生ごみをもっぱら漁っているのになんという贅沢な!やはりデリー有数の高級マーケットにいる牛は違うな、などと油断をしているとボロボロの服を着た子供がいつの間にかそばにいて物乞いです。牛のほうがこの子よりいいものを食べているのでしょう。

2009年5月23日土曜日

スポーツバーでクリケット観戦

金曜日の夜IPLというインドのプロクリケットゲームを見ながらの社内パーティがグルガオンのスポーツバーでありました。去年から始まったIPL、今年は総選挙と同じ時期になったので警察の警備が保証できないということで急きょ数カ月まえに南アフリカで行うことになりました。日本でいえばプロ野球がいきなりオーストラリアで開催されるようなものでしょうか? 飲み放題、食べ放題。今日は準決勝でデリー対ハイデラバードの対決。当然ほとんどはデリーファンです。

私のオフィスからはちょっと離れていているので遅れて行ってみると、


壁中に大画面テレビがズラリ、どこにいても見えるようになっています。最初は適当に盛り上がりながら観戦していましたが、

ビールが無くなった。みんなカウンターに殺到。”ビールを出せ!”と殺気だって来ます。店員が”今持ってきているところだ”と説明しても納得しない。ついにはすきを見てカウンター内を占拠。この後カウンターから強制的に退去となりました。

やっとビールは来ましたが日中45度近くまで上がる外部に置いてあったらしく完全にお燗状態のビールです。それでも音楽が始まれば試合はそっちのけで踊り始めます。

その一方で静かに観戦する人たち。このあたりは一滴もお酒を飲まない人たちが多いようです。ひたすらコーラとジュースでおとなしく座っています。


9時を過ぎると食事が用意され長蛇の列。もちろんすべてカレー味。

結局デリーは負けてしまいました。残念。

2009年5月16日土曜日

総選挙終了、国民会議派の大勝利

朝からテレビは総選挙の開票速報一色。昼ころにはすべて開票集計終了。ふたを開けてみれば(電子投票なのでふたはないですが)与野党接戦との事前予想を覆す与党国民会議派の圧勝。感じたのはまず与野党リーダのイメージの差です。

下の写真は与党国民会議派リーダー。左の現職マンモハンシン首相は76歳の高齢ですが経済学者でスキャンダルはほとんどない。党を仕切っているのは真ん中のソニア・ガンジー。首相だった夫が暗殺された後イタリア人であるにも関わらず周りに押されてインド政界入り。その長男が次期首相間違いなしとされている右側のラフル・ガンジー。昨今の物価上昇、不況などの問題はあっても中国に次いで経済発展を達成してきた実績とこの三人の絶妙なバランスが幅広い層にアピールできたのだと思います。。

かたやこちら野党BJPの党首アドバニ氏、81歳。 インドの平均年齢は25歳といわれているのにちょっと年をとりすぎ。他にもリーダ的な人材はいるようですがこの人を10歳ほど若くしたようないかにも政治屋というイメージのおじさんかとても怖そうなおばさんばかりに見えます。

さらに国民会議派の最終兵器ともいえるのが下の写真のソニア・ガンジーの娘プリヤンカ。政界入りはまだしていないのですが選挙キャンペーンに出て人気抜群。期間中もいつ立候補するのかという質問が絶えず繰り返されました。イギリスのダイアナ妃と比べる人もいますが確かに微笑が何とも言えない不思議な魅力を持ってます。


もちろんイメージだけではなくさまざまな要因があると思いますが野次馬的イメージ論でいえば圧倒的な差です。

ちなみに下は国民会議派のテレビコマーシャル。テーマソングはアカデミー賞を総なめした例のスラムドッグミリオネアーの主題歌を使っています。
http://aicconline.com/ads/videos/popup_14.htm

2009年5月15日金曜日

デリー空港 New国内線ターミナル

急きょバンガロールに行くことになり前日に翌日朝一番の飛行機を予約したらしばらくしてSMSが携帯に来て”明日から新ターミナル1Dに移動になります”の案内。反射的に脳裏に浮かんだのは”これは非常にやばいぞ!”ということ。

4月中旬から順々に各航空会社が新ターミナルに移動しているのは知っていたのですがよりにもよって引っ越し当日朝の便です。ここはインド。ターミナル引っ越してトラブルがないほうがおかしい。マジで一瞬他の航空会社に変更しようかと思いましたがもう間に合わない。遅れたら遅れたときのこと、理由もはっきりしてるのだから堂々と遅刻すればいい、どんなトラブルがあるか見てやろうじゃない、とすぐに度胸をきめました。だいぶインド慣れしてますから。

当日眠い目をこすりながら空港に向かうと

①ちゃんとターミナルのかなり前から航空会社別の案内看板が何度も出てくる。信じられない!
②朝早いのにちゃんとネクタイを締めた係員が分かれ道で立って案内をしている。もっと信じられない!!
③受付カウンターもわかりやすくまったく問題ない。断然信じられない!!!
④受付嬢にっこり笑って"Have a nice flight, Mr.******!(ちゃんと名前を言います)"。これは中国と違って以前からよくあることですが。

これまでの出張やめて引き返したくなるくらいボロボロで狭かったターミナルがこんなにきれいになりました。洒落たカフェやら売店、大きな本屋もあってやっと首都空港といえるものになりました。涙が出るくらい感激です。インド!やればできるじゃないか!!

でも冷静に考えてみれば他の国ではどれもしごく当たり前のことなのですが。


ちなみにちゃんとWiFiも使えるようです。時間がなかったので試してません。

これはバンガロールでホテルからオフィスまでのったオートリキシャからの眺め。歩いても5分なのですがキャリーなんてころがすことはほとんど不可能なくらい道がボロボロです。ちゃんとホテルから乗ったのでぼられることもなく快適に到着しました。インド!空港の次は歩道を何とかしよう!

2009年5月6日水曜日

インド大魔術、ウンチ靴磨き

北京からデリーに遊びに来たAさんと市内一番の高級繁華街、コンノートプレースの地下道を歩いていたところ靴磨きが近寄ってきました。私は安物布製スニーカーなので用は無いのですがAさんはおしゃれな皮のスニーカー。大体こちらではサンダルやらスニーカーなどが多くて立派な革靴なんて履いてるのを見つけるのは至難の業のはず。町中穴ぼこだらけ、埃と泥まみれ、それに牛、犬のウンチがいたるところ。磨いたらすぐに車にでも乗らない限り数十メートルで汚くなること間違いなしです。外国人と見てかなりしつこく勧誘します。

そのうち靴磨きから”ほら、見ろ。靴が汚れているぞ”といわれてびっくり。なんと立派なウンチが靴の甲にもっこりと載っているではありませんか! ほんの数秒前まではなんともなかったのに。そばにいたおにいちゃんが頭を指して”兄弟、頭でなくて運がよかったな”などといいます。

これ以上かかわったら大変、先を急ごうとしますがおしゃれできれい好きのAさん”こんな靴ではとても歩けない”と、とうとう靴磨きを頼むことにしてしまいました。振り切って逃げるつもりの私が振り返ると階段で靴を脱いで磨かせています。上から高みの見学をさせていただくことにしました。
そうこうするうちに物乞いの子供がよって来て持っている飲み物を少しくれなどとせがんでいる様子。最初はニコニコしていたのですがしまいにはAさん大きな声で怒鳴り始めてほとんど力づくで靴磨きにお金を渡し子供を追い払いました。

階段を上がってきたところでいくら払ったのか聞いたら、な、なんと1000ルピー!これには飛び上がるくらい驚き。なんでも最初は1500ルピーを要求されたとか。マックの豪華マハラジャバーガーセットが75ルピー程度でこちらでは高級品。彼らの物価感覚的には5千円か1万円くらいを差し上げたようなものです。かもねぎならぬ”革靴を履いた日本人”というところでしょうか。

ウンチは本物のにおいがしたとのこと。いつどうやって靴につけたのか?そもそもほんものだったのか? だとすればなにの? なぞは深まるばかり。二人とも全く想像もつきません。まさにインド大魔術を見せられた思いです。靴磨きとしては途方も無い値段ですが目の前で魔術を見せてもらった料金としては十分に価値があったかもしれません。

きっぱりと拒絶すればよかったのですが中途半端な断り方だったのがウンのつきだったようです。



2009年5月5日火曜日

蒸気モノレール

北京からのお客様とデリー市内にある鉄道博物館に行きました。かなり広い敷地に機関車が屋外に展示してあり狭軌の蒸気鉄道に乗ることができます。

でも一番珍しかったのは蒸気モノレール。どんなものかと見てみると、確かにレールは一本ですが横にトラクターのような大きな鉄の車輪がついている。ちょっとこれはモノレールというには反則ではないでしょうかね?
動画もアップしましたので動くところをご覧ください。