インドにきてここに行かないわけにはいかない。会社の数少ない日本人のSさんも今年赴任でまだ行ったことがない。最初はガイド付きのツアーということも考えたのですが今回は下見ツアーということで自力で行くことにしました。
タジマハールは確かにすごい。何がすごいといって言葉ではあらわせないとしか言いようがありません。やはり本物は写真、ビデオ、本とは違うなにかがあります。天安門広場が広いと口で言ったもこればっかりはあそこのど真ん中に立たないとわからないのと同じでしょう。
タジマハール自体はみんなよく知っていると思うので以上でおしまいにしてタジマハールをみるためにどういう体験をしたかを紹介します。一言でいうと
”誰が嘘つきか?誰が本当のことを言っているのか?本物は誰だ?”ということを次から次へと絶えず考えないといけないので良い訓練をさせていただいたということです。
朝6時に車で出発。デリーを出て2時間くらいしてマトゥラという町の近くにあるマクドナルドで食事。デリーを出たら後にも先にも道路沿いに我々が安心してはいれる食事休憩所はここしかありません。この写真だけをみるとアメリカ西海岸という風情ですが周りは全くインドです。もちろんメニューにビーフはありません。
思わず感激して写真を撮るSさん。そのあと小一時間くらいでアグラという市内に入りいよいよタジマハールという道路案内がでてその近くに来たらしい。駐車場らしき所に着きます。ここからが問題です。 ×(ブブー)と○(ピンポ-ン)で結果を判定。
問題1:見るからに怪しげな
案内人、”ここに止めないと先にはないぞ?”→○これは実際そうでした。、
問題2:駐車場から歩き出すと待ってましたとばかり
モノ売りが波状攻撃してきます。”この先に水はないぞ”→×まだまだいっぱいある。のどが渇いていたのでどうしようかと迷ったのですが結局は後でわかりますが買わなくても済みます。
問題3:
リキシャが寄ってきて“門までとっても遠いぞ。乗って行け”→×ほんの5分くらい
問題4: この間にも”おれは
公式ガイドだ。中は一杯見るところがあって一人ではとてもわからないぞ”→×そんなに見るところはない。”500でどうだ?”あまりにうるさいので”証明書を見せろ”というとにっこり笑って出したものには確かに公式ガイドと書いてある。しかし誰でも作れそうなしろもの。なんとか振り切ってやっと入り口に。
問題5:入口の前に長蛇の列。そうすると”俺は
ここの職員だ”という親切なおじさん。”見ろこの列、一時間から2時間は待たないと入れないぞ。俺に500払えばすぐに入れてやる”→×実際は10分くらい。
問題6:入場券をどこで買えばいいのか案内がよくわからない。それらしいところに行くと
オヤジが二人木の机の後ろに座っている。”外人は750ルピー(1500円以上)、インド人は20ルピー(40円)”といわれてSさんもびっくり。本当にこいつら本物か?→○本物でした。外人料金の中にはペットボトルの水と裸足にならなくてもいい靴カバーがついていていました。水を買う必要はなかったわけです。さらにアグラ砦などの観光料金も含まれると書いてあったのですが....
問題7:デイバッグは持ち込み禁止。近くの預かり所に行けと言われます。これがまたいかにも怪しい場所で怪しそうな
男二人が部屋に座って荷物が床にごろごろしている。もしかすると本物がほかにあるのではないのかとちょっと躊躇していると中から白人団体客が荷物を持って出てきます。→○本物でした。
問題8:
セキュリティチェック。さすがにこれは自動小銃も本物。ライターなんか持っていたらその場で有無を言わさずゴミ箱生きです。→○本物でした
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ふと足元を見ると撮影禁止のサイン。まったく意味がわからない。無事タジマハール観光を終えて近くの超高級ホテルでビュッフェランチ。さすがにここではだまされることはないのでリラックス。久しぶりにちゃんとした食事にありつけました。次の目的地アグラ砦に向かうことに。
問題9:途中大きな道の真中に突然バリケードが。すり抜けようとすると
男が我々を静止してこちらだと案内される方向に行くとそこは
駐車場。地図上では立派な道路なので”この先にはいけないのか?”と聞くと脇の駐車場経由だなどととんでもないことをいいます。定置網に引っ掛かった魚同然、一網打尽です。中に入ろうとする運転手をSさんと必死に止めて
”入るなあああ!!引き返せえええ!!”間一髪で間に合ってUターン、う回路でアグラ砦につきます。駐車場としては○ですがどう見ても公道をせき止めているとしか思えません。あのまま中に入っていたらどうなっていたのか?もしかすると本当に反対側まで通してくれる?なんてことは絶対にあり得ない。
問題10:タジマハールで買った750ルピーというとてつもない値段の入場券のうらには”アグラ砦料金含む”というようなことが書いてあるのですが”それを切符売り場に見せても通じない。
切符売り場のそばに立っているおじさんが“ここは250ルピーだ”と言います。切符にこう書いてあるではないかと主張しても”それは税金分だけだ。とにかく250だ”と言われ呆然、わけのわからない案内板を見ていると、タジマハールで見かけた韓国人と思われるグループもおなじことをこのおじさんに聞いていたのですが彼らは納得できずそのまま入口方面に、このおやじ小さな声で”また戻ってくることになるのに”とつぶやきました。しばらくするとやっぱり帰ってきた。→○どうやら本物の職員だったらしい。
このおじさんきっと毎日毎日何百回と同じ質問を受けているのに違いないのですが案内板でもう少し親切に説明するとか入場券の説明にはっきりと‘アグラの入場料は別’とか書いてわかりやすくするという発想は全くないようです。考えてみればそんなことをするとこのおじさんの仕事がなくなってしまう。空港公園などこちらの公共の場所に地図もなく案内所もないのは迷ってしまう観光客を餌食にする悪質客引きや毎日同じ質問に答えるだけの職員を配置するためのインド国内産業振興の一環なのかもしれません。
ここまでの
登場人物で制服を着ていたのはセキュリティーのガード一人だけであとはすべて私服です。悪質な客引きなのか本当に職員なのか素人には全く区別がつきません。もっとも制服を着ていても堂々とわいろを請求してくるのであまり意味はないかもしれないですが、どうしてこれが世界遺産に指定されたのか不思議に思えます。でもやはりそれはタジマハール自体が偉大だからでしょう。これら悪質客引きも一緒に世界遺産なのです。そもそも外国人から30倍以上の料金をふんだくる核保有国(先週は月までロケットを飛ばした)が一体インド以外世界中のどこにあるのでしょう?この国自体が悪質客引きとも言えます。
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ちなみに帰りはデリー手前で大渋滞。行きは3時間程度だったのですが結局6時間以上かかりました。次回は列車でまた誰が嘘つきかを楽しむことにしたいと思います。